適塾について

塾長より


子どもの成長は本当に早いですね。特に小・中学校のこの時期はあっという間です。ご家庭ではお子様の成長にあわせ、ピアノや習字、水泳などいろんな習い事に通わせて、将来の礎にされていることでしょう。 

 

そのひとつに「塾」も入るのではないでしょうか。どうぞ、わが子に合った塾を探してあげてください。近隣にはたくさんの塾があります。塾選びは保護者の責任です。塾の形態は様々で選別するのは難しいでしょうが、私は塾人として子を持つ親として、適塾を「自分の子どもを通わせたい」という塾にしています。


我が子にしてきた学習指導や多感な時期への気配りなどを、同じように適塾生にはしているつもりです。このホームページをご覧いただき、共感できる部分がございましたらお気軽に御来塾下さい。お子様には体験学習期間もあります。しっかり適塾を吟味してもらいたいと思います。


適塾の理念


[福沢諭吉が学問に汗した名門塾]

 

幕末から明治にかけて緒方洪庵が大阪に開いた「適塾」は多くの逸材を輩出しました。

それらの人材は実に多彩であり、福沢諭吉、橋本佐内、大村益次郎など近代日本の確立に大きな役割をはたしています。

適塾の人材教育の根底には、塾生が各自の資質を伸ばし色々な方面でそれぞれに活躍できるようにすることでした。

こうした教育理念を当塾でも取り入れ、各自の志望校合格は第一条件ではあるが、更にもう一段高いところから見れば、将来自分の好む道をつき進めるよう、その土台となる教養を身につけられる塾でありたいと考えています。

そして、子どもがたくましく生きていくために必要な力、学力、集中力、忍耐力、行動力、努力を勉強を通じて教え、この学んだ力により人を幸せにし、なおかつ自分も幸せに生きていけるような思いやりのある人物に成長してくれることを願っています。

 

あなたの人生の中で適塾での勉強はほんの短い間かもしれませんが、あなたの心の芯の一本となれるよう、精一杯応援していきたいと思います。

 

適塾 塾長 佐原康夫

 

 

 

 2020年3月

 

【大学院合格から入学延期】ここからは私事です ・・・

『高野山大学大学院文学研究科修士課程密教学専攻通信教育課程』私がこれから学ぶ予定だった大学院の正式名称です。大学院で子どもの「潜在意識」や「活かすいのち」についいて『密教』を通し深く研究し知識を深めていくことが大きな目的でした。その経緯を綴ってみます。

 

開創されて1200年を迎えた2015年の夏に高野山を訪れました。真夏なのにここだけは凜とした清らかな霊気が漂っていたのを今でも鮮明に覚えています。この時案内をしていただいた僧侶から空海と真言密教、そして「潜在意識」や活かす「いのち」についてご講話いただきました。これらは常日頃私が関心を抱いていたことだったので非常に感銘を受けました。

 

それから、空海や密教について調べていくうちに、司馬遼太郎の「空海の風景」という本に出会い更に強く惹かれていきました。それは司馬遼太郎の独特なタッチによるものかもしれません。私は19歳の時にも司馬遼太郎の作品に絶大な影響を受けました。「龍馬がゆく」です。当時1週間で全八巻を読破し、その週末には高知の桂浜に立っていました。巨大な龍馬像と一緒にどこまでも広がる太平洋の彼方を見ながら、自分も世界を見てみたいと強く思い、アルバイトをしてお金を貯め20歳のときにヨーロッパ7カ国とエジプトを周遊しました。いわゆるバックパッカー(リュックサック1つで自由に世界を旅する人)です。そして翌年にはアメリカに渡りました。私の行動の原点はここにあるのかもしれません。

 

話がずいぶん逸れましたが、当時に似た熱い気持ちになり、どんどん空海にはまっていき高野山大学の存在にたどり着きました。大学には「在宅で空海・密教について深く学ぶ大学院通信教育課程」があったので迷うことなくここで学ぶことを決めたのです。

 

しかし、当然のことながら大学院に入るためには「試験」があります。ただ、高野山大学はお坊さんになるための大学だから、受験者数は限られているためボーターフリーです。私は楽勝だろうと思っていたのですが、入学者選考試験は「4000字以内での課題論文「空海の思想の現代的意義」について空海の言葉を原文漢文で引用して書く。」だった。完全に趣味や興味本位の人はお断りと言っているようなものです。私は真言宗を深く知っているわけでもないし、ましてや宗教に関して原文の漢文など見たこともないので、書店に行って関連する書籍を探し、焦らず少しずつ進めることにしました。そして、昨年の秋から本腰を入れ1月に課題論文を完成させることが出来ました。1次・2次試験とありましたが、この課題論文が決め手となったことは間違いないでしょう。

 

小学生の10歳ぐらいまでは『親』の影響が大きいが、それ以降は『周りの大人』の影響が大きくなります。学校の先生、スポーツクラブのコーチ、いろんな習い事で接する大人、塾の先生も同じです。子どもたちには勉強以外の学びも必要であると強く感じており、自分なりに正しく導こうとしてきたが、本質的な学びを深めなくてはいけないことを常に感じていました。このような状況下で、高野山にてありがたいお話しを聞き知ったことが、教え導く立場の私に確固とした知識を得ることの必要性を知らしめてくれたのです。

 

仏教に関する大学院は日本に幾つかあるが、その中でも仏教の究極である密教に関して言えば高野山大学院密教課は世界一でしょう。別に宗教学者になるつもりはないが、真言密教を学ぶことを通して、「潜在意識」や「活かすいのち」を深く考えることは私の今後の指導に深みを増すと思ったのです。

ここまでが大学院を受験した経緯です。

 

3月に合格通知書を手にしましたが、日本のみならず世界の状況は新型コロナウィルスで一変し長期化の様相を呈してきました。

あるがままを受け入れここから最善の選択をしようと考えたとき、大学院にこのまま入学すればスクーリングや実習など現実的に考えて難しい。なによりも子どもたちへの影響が懸念される。ならば、来年以降でも受験し直すことは出来るので、現状への対応を優先することに決めました。

ただ、学びは自らでもできるので今年は独学で進めていくつもりです。